研究概要 |
本年度は,昨年度試作した低周波磁界ドシメータの性能試験結果に基づいて改良したドシメータを20台製作した。すべてのメータは電気的には設計どおりの性能を示し、最終的な仕様は次の通りである。 (a)外形寸法:135[mm]x90[mm]x35[mm](電源部を含む) (b)重量:約250g(電源部を含む) (c)測定値:互いに直交する3方向の磁束密度の時間積分値;同時計測が可能 (d)測定磁束密度:0.02〜550[μT] (e)測定積分値:0.01〜1999[μT・Hr] (f)測定時間:連続30時間 本装置を用いて,実際に携帯使用の最終的な試験を行ったところ,機械的な性能に不備が見つかり,現在も調整中である。このために磁界ド-ズに関しては系統的なデータは得られておらず,今後の課題となった。 一方,磁界の計測装置に関しては,国内やインドネシアの500kV変電所構内,500kV送電線路下,および住宅地で実測を行い,電力周波数磁界強度分布に関する貴重なデータが得られた。その結果の一部は,インドネシアで行われた「Seminar on Biological Effects of EMF in Indonesia」で発表を行った。 結局,磁界ド-ズに関しては,装置の開発が不十分で期待した結果は得られなかった。しかし磁界分布に関しては貴重なデータが得られ,今後国内外のデータの比較を行う足掛かりが掴めた点で評価できる。
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