スイッチング損失が小さく、数msの超伝導復帰時間を持つ商用周波数(50または60Hz)で動作可能な素子の研究開発を追求するために前年の成果を踏まえ、研究を進めた。本年度は、学科の方針で卒業研究生及び修士学生の指導から外されたため、研究の進捗状況が極端に遅くなってしまった。 1.熱伝導と絶縁性がともに良好な絶縁材料を真空蒸着法によって、超伝導フォイルへのコーティングを試みた。SiOを蒸着したが、良好な膜を安定に作成する条件を求めることまでしか達成できなかった。 2.前年度入手できなかった20μm厚さのNbTiフォイルを20m入手することができ、スイッチの基板材料を確保した。 3.次の展開である、回転体中での利用について比較するための移動磁界型フラックスポンプについての研究成果を取りまとめ、第16回国際低温工学会議で発表した。その内容はCryogenics誌に掲載される予定である。 したがって、後数ケ月かけて成果を取りまとめ、次の研究計画に結び付ける予定である。
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