研究概要 |
ほぼ当初の計画通りに進捗している。平成7年度に明らかとなった知見、成果を以下にまとめる。 (1)非共振形コンバータによる完全ソフトスイッチング化の実現:小容量(約2A,50V,100VA)のサイクロコンバータ方式高周波リンクDC/ACコンバータを試作し、本研究で提案したソフトスイッチング動作が可能であることを実証した。また、この時に問題となる2つの問題点を解決した。 (1)トランスの漏れインダクタンスとデバイスの寄生容量との寄生発振現象を抑制するためのRCスナバの最適設計法を明らかにした。 (2)主デバイスとしてMOS-FETを用いてサイクロコンバータ部の双方向性スイッチを構成した場合、デバイス内部の寄生ダイオードの遅いリカバリー特性がソフトスイッチング特性を悪影響を及ぼすことを指摘し、これを解決するスイッチの構成法を提案した。 (2)太陽電池パネルの設置:電子工学科の屋上に1.5kWのパネルを設置した。(架台や基礎部分の設計、組立、研究室への配線等を含む。)コンバータを接続しての運転には至っていないが、電池そのものの基礎特性(電流・電圧特性・電流・電力特性など)を測定した。 (3)低抵抗デバイスBSITを用いたコンバータの試作:各デバイスでのソフトスイッチング動作を確認できた。損失分離の結果、スナバ損が大きく、対策を検討中である。 (4)非対象制御法の適用:サイクロコンバータ部での位相制御に非対象制御を適用し、高周波側での力率を向上させ、トータルの効率を上げる方法を新たに考案し、回路を試作した。
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