| 研究課題/領域番号 |
07650368
|
|---|
| 研究種目 |
一般研究(C)
|
| 研究機関 | 静岡大学 |
|---|
研究代表者 |
村上 健司 静岡大学, 電子工学研究所, 講師 (30182091)
|
|---|
| 研究分担者 |
金子 正治 静岡大学, 工学部, 教授 (30022023)
渡辺 健蔵 静岡大学, 電子工学研究所, 教授 (70022142)
|
|---|
| キーワード | Pb (Zr, Ti) O_3セラミックス / 低温焼結 / 粒界 / 複合酸化物 / 添加物効果 / TEM / SEM |
|---|
| 研究概要 |
複合酸化物を添加した低温焼結Pb (Zr, Ti) O_3セラミックスの粒界を、透過型電子顕微鏡(TEM)ならびに付属のエネルギー分散型X線分光装置(EDS)を用いて解析した結果、粒界層に鉛(Pb)および銅が偏析したアモルファス相が観察された。他の主成分については偏析は見られず、添加物成分については粒界層にほとんど存在しなかった。また、焼結温度(935℃)における等温収縮曲線を測定した結果、焼結過程は3段階に分かれていることが明らかとなった。これらの結果を詳細に検討した結果、低温焼結は(1)粒子の再配列、(2)溶融一析出または粒界拡散および(3)粒子成長の順に進行し、鉛と銅が偏析した粒界層がこの第2段階において過渡的な液相となり、低温での緻密化を促進していると結論することができた。
添加物の他の成分の効果を明らかにするために、添加状態を種々に変化させた低温焼結Pb (Zr, Ti) O_3セラミックスを作成し、それらの密度および電気的特性を測定するとともに、X先回折(XRD)図形および走査型電子顕微鏡(SEM)像を観察した。その結果、添加状態に関わらずXRD図形はPZT単相であることを示し、大きな密度の変化も観察されなかったが、銅の酸化物ならびにバリウム、銅、タングステンの複合酸化物が緻密化に効果があることが分かった。また、SEM像の観察からタングステンの酸化物が粒子成長を促進していることが明らかになった。電気的特性の結果からは、バリウム、銅、タングステン成分は誘電率の向上に、ビスマス、鉄成文は機械的品質係数の向上に効果があることが分かった。以上の結果を総合的に検討することにより、性能向上への知見が得られると期待される。
|
