平成7年度の研究計画の項目は、(1)ニューロン型成長パターンの重合、(2)2個のパターンの接続、(3)接続部のド-ピング制御とネットワーク化、(4)学習効果の確認、(5)ネットワーク間の導電率制御、(6)パターンの解析手法の確立、である。これらの項目に対して、これまでに得られた知見は以下のとおりである。 1.導電性高分子の成長パターンを制御することにより、ニューロン状の導電性高分子を重合することができた。この導電性高分子を同一セル内で2個以上合成し、枝部の接続が可能であることを確認した。 2.2個のニューロン状の導電性高分子を接続し、枝部のドーパントイオンを第3電極を用いて出入りさせることにより、接続枝部に重みづけをすること、あるいは学習効果を持たせることができるようになった。 3.ドーパント量は第3電極に印加する電圧の極性、印加時間(パルス幅)、大きさで制御可能であることを確認できた。 4.フラクタルパターンの成長過程を写真撮影し、イメージスキャナでパターンデータを取り込むことにより、鮮明な画像データが得られるようになった。また、形状のフラクタル解析を行うためのプログラムも開発し、フラクタル次元を算出できるようになった。
|