平成8年度の研究成果で特に次の項目で大きな見知が得られた。:(1)同一セル内で他のニューロン型導電性高分子を接続し、電圧パルス等を重畳して接続部のパスの重みを変化させ学習効果持たせること、(2)マルチフラクタル性を中心にしてパターン解析を行うこと 1.3個以上のニューロン型導電性高分子の接続ができることを示した。8個のニューロン型導電性高分子をニューラルネットワークを考慮した形のネットワークを作製した。これにより任意の形のネットワークが作製可能であることが示された。ネットワークの1部を脱ドープさせること、また他のパス部を脱ドープさせることにより、ネットワークの重みを変化させ、3つの出力層の電流値を変えることができた。これにより、パルスと1:1対応した出力でなく内部のネットワークの状態に応じた出力を出すことができた。これは学習効果が単に1つのパス上で行われるのではなくパターン全体で行わせることができることを示していることが分かった。 2.成長パターンのマルチフラクタルを求めるだけでは、パターンの解析は十分ではないことがわかった。パターン全体の情報が得られるけれども場所の情報が明確に得られないために成長過程の各場所での変化を定量的に把握できないためである。そこでそのウエーブレット解析を導入し、この値から各点でのフラクタル性を求め、各場所での複雑さの変化を2次元的に図示することを試みたで。これにより成長過程の複雑さの変化が数量的に示せるようになった。
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