1.ニューロン状導電性高分子を電解重合法を用いて重合した。重合中、重合条件を変えることで成長パターンの種類を変えることが出来ることが分かった。成長パターンの制御が可能となった。 2.2個のニューロン状導電性高分子の接続ができた。両者をある程度まで成長させた後、電位差を設けることによりこのことが可能となった。 3.第3電極を設けてパス部のドープ、脱ドープを行い導電率の制御を行った。導電率の変化は印加したパルスの極性、幅、高さと回数に依存した。パス部の重みはパルスに依存することになり学習効果あるいはメモリー効果を付加できることが分かった。 4.新しい素子としてのニューラルネットワークの実験のために8個のニューロン状導電性高分子でネットワークを作った。ネットワークに電圧を印加している時、パスの重みをかえることによりネットワークの状態が変化し、出力変化が起きることを示した。1つのパルス入力に対して出力が変化するのでなく内部状態に依存した出力が出るという新しい性質が見いだされた。これを用いた新しい素子が作成可能であるこが示唆される。 5.パターンのマルチフラクタルとウエーブレット解析を行い成長過程の複雑さを数量的に示した。マルチフラクタルを求めることにより大域的な情報を得ることが出き、さりにウエーブレット解析により2次元成長の各場所でのフラクタル性を図示することが出来た。成長パターンの時間的変化とともにその2次元マップの推移を求めることが出き、各点での成長度や複雑さを定量的に求められた。
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