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1996 年度 実績報告書

微小冷陰極による極微細電子ビーム形成に関する基礎的研究

研究課題

研究課題/領域番号 07650389
研究機関東北大学

研究代表者

嶋脇 秀隆  東北大学, 電気通信研究所, 助手 (80241587)

研究分担者 志甫 諒  日本原子力研究所, 那珂研究所, 主任研究員
横尾 邦義  東北大学, 電気通信研究所, 教授 (60005428)
キーワード冷陰極 / 電界放射 / 電子ビーム / 電子光学 / 真空マイクロエレクトロニクス
研究概要

電界放射陰極を用いた極微細電子ビーム形成には、電界放射陰極からの放射電子ビームの制御、安定化と放射角の制御が重要である。放射角の制御に関して、本研究者らが提案した平面構造収束方式と積層構造収束方式の電界放射陰極を製作し、その収束効果の比較検討を行った。平面収束方式の電界放射陰極およびそのアレイ(FEA)は、電子の引き出し電極であるゲート電極と同一平面上に収束電極を設けるため、積層構造と比べて製作プロセスの簡略化、再現性の向上等に優れている。蛍光板を用いたビーム収束の評価実験で、本構造による収束効果を確認した。しかし、十分収束されていない状態では、非対称な放射ビーム形状となり、放射角を均一に制御する用途には問題がある。これは、電極構造の非対称性に起因するもので、本構造では避け難く、電位シールド等の工夫を要する。一方、積層構造では、製作プロセスがやや複雑になるが、収束電極を自己整合的に対称に形成できることを特長とす。実験では、対称性に優れた放射パターンが得られた。ビーム収束による放射電流量の減少の割合が平面構造より積層構造で大きく、エミッタ先端部に及ぼす収束電位の影響の差異が確認された。放射電流の制御、安定化に関して、JFET-体型電界放射陰極を提案、試作し、1V以下の制御電圧によって放射電流を数nAから1μAにわたって制御可能なこと、放射電流が安定に維持されることを実証し、能動素子による放射電流の制御、安定化の有効性を明らかにした。また、エミッタ先端部の結晶面方位を反映する放射パターンが得られており、このことは、電界放射陰極の電流変動の原因が表面への残留気体分子の吸着、脱離、泳動による仕事関数の変動によるものであることを示唆している。今後、エミッタ表面の不活性化による電流変動の安定化、微細ビームのエミッタンス測定などへと研究を展開する予定である。

  • 研究成果

    (1件)

すべて その他

すべて 文献書誌 (1件)

  • [文献書誌] H. Ishizuka,: "Beam Extraction Experiment with Field-Emission Arrays" Nucl. Instr. and Meth.A375. 116-118 (1996)

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公開日: 1999-03-08   更新日: 2016-04-21  

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