マルチ・メディア用カード型画像入力デバイスの研究 第1段階 (a)複眼を有する昆虫の光学処理システムについて検討した。 (b)これを基に新規に考案した結像システムについて、理論的・実験的検討を進めた。 (c)結像シミュレーシュンプログラムを作成し、解像後、明るさなどを検討した。 第2段階 (a)各種パラメータを持った微小レンズアレイを、石英基板をスパッタリングにより製作した。 (b)この微小レンズアレイを使用した新結像システムを組み、像の形成を試みた。 (c)結像シミュレーションと実験結果との対比を行った。 以上の結果、 (1)「昆虫などが有する複眼による像形成は、1個1個の微小レンズがそれぞれ完全像を形成するのではなく、多数の微小レンズ全体として1個の像形成に寄与する」という説がある。今回提案された新規な像形成システムによる実験結果および結像シミュレーション結果は、この説をサポートする。 (2)微小レンズのサイズが小さくなるほぼ、像形成に寄与する微小レンズの個数が増加することから、像の品質すなわち解像度は上がると予測したが、さほど像質は向上しなかった。これは微小レンズのサイズがちいさくなるほど、アレイのなかでの焦点距離なのばらつきが顕著になったことが原因と推測される。 (3)微小レンズが形成されていない領域からの漏れ光線が、像質(コントラスト)に影響することが明らかになった。
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