研究概要 |
暗号プロトコルにおいては、secret sharing scheme および認証コードが重要な役割を果たす。secret sharing schemeは不正なプレイヤーが存在してもうまく動作するフォールトトレラントな暗号プロトコルを設計する上で非常に重要である。本研究では、secret sharing schemeそのものに不正者がいる場合、その不正者を検出する問題について検討し、そのフォーマルな定式化を示すとともにorthogonal arrayを利用した実現方法を示した。また、認証コードにおいては、従来、送信者、受信者はhonestで外部の敵のみが不正をするというモデルが考えられてきたが、送信者、受信者も不正をし、調停者が紛争を解決するというモデルに対し、不正確率の下限、鍵サイズの下限を導出した。 上述のsecret sharing schemeについては、Crypt'95という国際会議にて発表した。認証コードについては、Eurocrypt'95,Cocoon'95という国際会議にて発表した。Crypt,Eurocryptともに競争率が4倍程度と非常にレベルの高い国際会議であり、そのProceedingsはSpringer-Verlag社により、Lecture Moteシリーズとして世界中に配布されている。また、n人中k人が集まればディジタル署名ができるというグループ署名方式についてもElGamalタイプの新方式を提案しており、これは電子情報通信学会の英文小特集号に掲載されている。上述の成果は、複雑な暗号プロトコルの自動検出において、これらの構成要素をブラックボックスとみなして検出システムを構築して安全なのらどうか、安全であればそういった検証システムを構築するのが、今後の課題である。
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