研究課題/領域番号 |
07650422
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研究種目 |
基盤研究(C)
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研究機関 | 金沢大学 |
研究代表者 |
中山 謙二 金沢大学, 工学部, 教授 (00207945)
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研究分担者 |
王 幼華 金沢大学, 工学部, 助手 (10283095)
池田 和司 金沢大学, 工学部, 助手 (10262552)
馬 志強 金沢大学, 工学部, 講師 (10251935)
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キーワード | ニューラルネットワーク / 階層形ネットワーク / 教師あり学習 / パターン分類 / リカレントネットワーク / 連想記憶 / 学習理論 / ダイナミクス |
研究概要 |
平成8年度は、階層形ニューラルネットワーク(NN)を最小構成する最適設計論についての基礎検討と具体的な設計プログラムの作成、及び計算機によるシミュレーション実験を行った。 1.階層形NNのパターン分類能力の評価 周波数成分に基づく信号検出において、測定サンプル数が制限されている場合は線形処理によるスペクトル分析では十分な検出が行えない。階層形NNでは、ニューロンの非線形特性により信号空間での領域形成の自由度が高く、不規則に分布する信号の分類能力が高いことを確認した。具体的には、ダイヤルトーンなどの応用例においてその有効性を確認した。 2.汎化能力を保証する最少学習データの選択方法 パターン分類を対象として、未学習パターンに対しても高い分類(汎化)能力を有する階層形NNを実現するための最少学習データの選択方法を提案した。ユークリッド距離に基づいて分類境界面に対峙する各クラスのデータを抽出するものである。データの組み合わせに基づく方法と、学習中の出力誤差に基づく方法について、収束性と学習時間の関係について検討した。また、データが逐次与えられる問題において、常に、最少の学習データを保持できることをシミュレーションにより確認した。 3.ディジタル変復調器への応用 直交振幅変調(QAM)されたディジタル信号を復調するシステムを階層形NNで実現し、広帯域の雑音除去及びジッタに強い波形成形が可能であることを実証した。符号変換を行う活性化関数、収束性を考慮した目標波形の設定法を提案した。また、階層形NNによる雑音抑圧のメカニズムを解明し、理論的にも従来の線形信号処理よりも有効であることを示した。
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