研究概要 |
平成7年度は,本研究の遂行に影響する大きな変革があった.一つは,阪神・淡路大震災が契機となった,障害を考慮した網構成の見直しであり,もう一つは,ATMバックボーン網の本格的な導入である.つまり,今後のLAN間接続の形態が次のように変革していくと考えられる. 1.災害時,障害時を考慮した柔軟な網設計 2.多数のLANや専用回線網を経由した接続のATM網への吸収 このため,本年度はまず,災害時における情報通信システムの分析し,災害支援を効率的に行うための都市型ネットワークのシステムデザインの提案を行った.次に,ATM網をバックボーンとした場合の網構成方法について,特に,経路制御の観点から検討し,以下の知見を得た.ATM-LANにおいては,計算機器の接続形態は,ATMに直接接続・ATM対応スイッチングHUBなどに接続,従来系の中低速LANを経由した接続が混在する.このため,効率的な伝送を行う上では,経路制御用機器の配置方法や経路選択方法の確立が重要である. 本年度は,本研究の一貫として,本学に導入予定の学内LANシステムに対して,ATM, FDDIの2系統をバックボーンに持つLAN結合網の提案・設計を行った.
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