7年度の研究実績:ハイパキューブ・ネットワーク上で任意のBPC置換を実現するアルゴリズムを構築し、データ転送ステップ数を評価した。以下は、その過程である。 段階(1)-画像処理、ソーティングなどのデータ処理においてよく用いられ、基本的で重要な置換であるビット反転、ベクトル反転、完全シャッフル、ビットシャッフル、行列転置等の任意のBPC置換をハイパキューブで無故障時に実現するアルゴリズムを構築した。ここでは、BPC置換に必要なデータの転送を衝突なしにかつできるだけ効率よく成し遂げるアルゴリズムを構築し、検討評価した。実用性のあるデータ転送アルゴリズムである為には、アルゴリズム実行に伴うノードでの必要レジスタ数ができるだけ小さいことも重要である。本研究では最小数である2に制限した。必要レジスタ数の制限は、データ転送アルゴリズムの構築においては本質的な制限であって、必要レジスタ数が小さいことは極めて重要な特長である。制限がなければアルゴリズムの構築は簡単である。この成果は国際学会(実績報告書参照)にて発表した。 段階(2)-段階(1)で構築されたアルゴリズムを用いて、各種BPC置換を実現する場合に要する転送ステップ数を算定評価した。転送ステップ数に結合網の総ノード数を変数として与えれば、無故障時でのハイパキューブのBPC置換実現能力が判定できる。この成果も、国際学会にて発表した。
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