研究代表者らは先に複数の動画像フレームの情報を統合をし、解像度の高いフレームを生成する手法を提案した。この方式は、撮像対象物体の形状として平面のみを仮定し、時間軸方向に統合することによって画質の改善を得るものであた。本研究では更に物体が曲面形状の場合にも適用可能な方式の開発を行った。 (1)領域追跡アルゴリズムの検討 先に提案した四辺形パッチによる領域追跡アルゴリズムにおいて、四辺形パッチを適応的に細分化し、曲面形状を有する撮像対象に対しても適用可能な追跡アルゴリズムを開発した。また、画像中に動き量の異なる動領域が存在する場合に、個々の領域分割とアフィン動きパラメータとを求める大域的動き解析アルゴリズムを開発した。 (2)領域追跡アルゴリズムの評価 現有ワークステーション上に上記領域追跡アルゴリズム評価のためのシミュレーションプログラムを開発した。また、提案アルゴリズムの評価を行った。 (3)統合アルゴリズムの比較 フレーム間対応付けが得られた画像の統合アルゴリズムを開発すした。統合画像は不均一標本化画像となるため輝度値が割当られない画素が存在する。先の方式では、この問題を解決するため近傍画素の輝度値の拡散による補間を行っていた。本研究では反復法による再構成との性能比較を行い、良好な統合画像が得られることを確認した。
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