研究概要 |
本年度は,前年度開発した生物に学んだ大規模最適化手法の基本的なアルゴリズムを,超LSIのレイアウト設計問題へ適用した.具体的には以下の通りである。 ・前年度に開発した生物進化の概念としての遺伝機構と,生物の免疫機構を取り入れた最適化手法の改良を行った。 ・超LSIの具体的フロアプラン設計に適用して,アルゴリズムの改良を行った。 ・前年度の試験的な例への適用と,本年度の具体的な例への適用の違いを考察し,アルゴリズムのより一層の性能の向上を計った。 ・計算機シミュレーションを通して,従来法との比較検討を行った。 ・より高度な手法の開発への指針を得た。 また,計算機シミュレーションを通して,以下の点が明らかとなった。 ・対象の問題の複雑さにより,収束性が非常に異なる。 ・実際の例には種々の制約条件があり,制約条件の組み入れ方に工夫が必要である。 ・個々の最適化問題のタイプが持つ特徴を,うまく取り入れた手法を開発する必要性がある。 ・手法の基本的な考え方の実現であるアルゴリズムの構築において,並列性の取り入れ方など高速化を計るための工夫を対象問題のタイプにより考察する必要がある。
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