研究概要 |
本年度において申請者らの研究グループは,情報システム統合に向けての基礎として以下の研究を行った. ・将来における高速通信の需要に対応するため,光交換機に関する研究を行った.とくに,マルチメディア通信ネットワークとして普及が期待されるATMネットワーク上での光交換機の特性を,待ち行列理論を用いて解析し,今後の交換機の構成法について考察した. マルチメディア通信の重要なアプリケーションとして認識されている動画像通信において頻繁に現れる,バースト性の高いトラヒックの新しい表現法を提案した.また,実際のMPEGフレームサイズのデータをATMネットワークへ流した時のトラヒックを作り,提案した方法の有効性を数値実験により検証した. ATMネットワークのような高速の通信ネットワークを実時間で管理するため,MIBとよばれる管理情報ベースに格納されているネットワーク・データを解析するアルゴリズムを提案した.また,アルゴリズムの適用可能性を確認するため,実際に稼働しているネットワーク管理アプリケーションから得られたデータに対してアルゴリズムを適用し,得られたルールをもとに,ネットワーク上の障害原因の特定などを可能とする管理モデルの構築を行った. ・通信ネットワークを設計する上での重要な要素である呼損率などの稀少事象を,ポアソン埋め込み法と呼ばれる考え方を用いて短時間で推定する手法を提案した.また,得られた推定式を用いてシミュレーションによる数値実験を行った..
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