研究課題/領域番号 |
07650460
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研究機関 | 神戸大学 |
研究代表者 |
羽根田 博正 神戸大学, 工学部, 教授 (10031113)
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研究分担者 |
田川 聖治 神戸大学, 工学部, 助手 (50252789)
太田 有三 神戸大学, 工学部, 助教授 (80111772)
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キーワード | 並列処理 / ロボット制御 / 負荷分散 / タスク最適化 / コンパイラ / シグナル・プロセッサ |
研究概要 |
本研究においては、実際の並列処理システムにおいて適用可能な、最適な負荷分散手法を提案すると共に、ロボット・アームの計算機制御に応用して、その有効性を確認した。 (1)スケジューリング問題の定式化:並列計算機モデルとしては、実用性と汎用性に優れたMIMD分散メモリ方式を採用した。また、並列化するプロセッサとしては、シグナル・プロセッサ(DSP)を使用した。この並列処理システム(マルチDSPシステム)において、データ処理のタイミングに関わる、幾つかの時間的な制約条件を明かにすると共に、スケジューリング問題を組合せ最適化問題として定式化した。 (2)最適化アルゴリズムの提案:対象とするスケジューリング問題に対して、分枝限定法に基づき最適解を厳密に求めることができる最適化アルゴリズムと、実用的な準最適化アルゴリズムをそれぞれ提案した。 (3)最適化コンパイラの開発:並列処理全体としての効率を高めるためには、並列化された各プロセッサ事に行われる逐次処理の計算効率を高める必要がある。そこで、数式処理的な手法を用いて、計算プログラムを、含まれる演算回数が最少であるという意味で最適化することができる最適化コンパイラを開発した。 (4)ロボット・アームの制御への応用:提案した並列処理手法とスケジューリング・アルゴリズムを、ロボット・アームの計算機制御による実時間処理に応用して、その有効性と実用性を確認した。 (5)今後の研究の展開:並列処理は、ロボット・アームの制御則の計算のように、膨大な演算を含む計算の実時間処理において、特に嘱望されている。ところが、スケジューリング問題の規模が大きくなると、最適化アルゴリズムが使用できないために、効率的な並列処理が行えないというジレンマに陥る。 そこで、今後の研究の展開としては、スケジューリング問題に対する確率的アルゴリズム(遺伝的アルゴリズム)の構築方法を検討すると共に、今回提案した各アルゴリズムとの比較を行いたい。
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