研究課題「3次元座標読み取り装置を用いたグラフィックスデータ構成法」に関して平成7年度に行った研究は次のとおりである。 ・3次元データの前処理法の確立:NRCCデータに含まれる座標読み取り誤差を取り除く(プリプロセッシング)ための処理法としてMiniMax法を用いることの得失を、近似誤差という観点から明らかにした(研究発表1参照)。 ・3次元データの順次付けアルゴリズムの開発:3次元空間に散在するデータを相互のユークリッド距離の大きさにしたがってグループ分けし、三角形パッチを定義するアルゴリズムを開発した。このアルゴリズムでは、複数3次元データによって定義される重心を用いることにより、データの並べ換えに必要な計算量を減少させることにより処理時間の短縮を図った。このアルゴリズムの基となっているのは2次元曲線に関する円錐交差法(研究発表2、および3参照)である。 ・三角パッチ数の圧縮法の開発:上記の処理で得られる三角形パッチ群は、オリジナルのNRCCデータから読み取り誤差を除いたものを基礎としてもとめたものであるから、三角形パッチの数が必要以上に多い。そこで、隣接三角形パッチ同士が同一平面上にあると考えられるものは同一視点し、パッチ数を減少させる方法を考案した。三角形パッチの総合は、クラク(隙間)の問題が生じないように解像度の異なる複数のマップを作成することにより行った。また、同一平面であるか否かの判定のための条件として、接線、法線によって定義される評価関数を導入した(研究発表準備中)。 ・曲面データ構成のための準備:上の処理で得られた三角形パッチ群にC^2あるいはG^2級の滑らかさで曲面を生成するための接続境界線における接線、法線の算出法を考案した(研究発表準備中)。
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