本研究の目的は、天井に設置された蛍光灯を目印に、画像処理の手法により無人搬送車の自律走行を実現することである。この目的達成のために、本年度は以下の項目に関して研究を行った。 ・連続軌道上の走行安定性:これまでに実現した直進・転回など要素技術に関する検討結果を踏まえて、連続走行のコンピュータシミュレーションを行い、仮想的な工場内における無人搬送車の誘導が可能であることを確かめた。また、走行途中の誤差蓄積の解消方法について検討を行った。本システムは実用化を考慮して操舵機構にサーボモータを搭載していないため、ビジュアルフィードバックを用いた操舵方向の推定について検討を行い、これまでに良好な結果を得ている。 ・蛍光灯配置に関する検討:安定した搬送車の誘導を行うため蛍光灯配置などについて検討を行った。 ・実験装置の製作:実機の制御装置の製作を行い、その有効性を確認した。並行して、画像処理による走行軌跡測定装置の製作を行った。 今後は、以上の項目について、実機を用いたより深い検討を加えるとともに、さらに無人搬送車のより高度な制御のため、搬送車の位置計測についても理論的・実験的検討を加える予定である。
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