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1997 年度 実績報告書

物理・化学法則の知識を考慮した連続時間システムの同定に関する研究

研究課題

研究課題/領域番号 07650498
研究機関九州大学

研究代表者

和田 清  九州大学, 大学院・システム情報科学研究科, 教授 (60125127)

研究分担者 今井 純  九州大学, 大学院・システム情報科学研究科, 助手 (50243986)
キーワードシステム同定 / 連続時間系の同定 / パラメータ推定 / サンプリング周期 / 前処理フィルタ
研究概要

近年,モデルの不確かさを考慮したロバスト制御理論の発展とともにシステム同定への関心が高まっている,計算機の発展によりさらに短いサンプリング周期での処理が可能となったため同定精度の大幅な向上が期待されるところである.しかしながら従来手法についてサンプリング周期をあまりに短くするとかえってパラメータの推定精度が悪くなるという問題点が従来手法について顕在化している.一方,離散時間システムではなく連続時間システムのパラメータを入出力サンプル値から直接推定する方法が注目を集めるようにもなってきている.これは,微分方程式のパラメータは差分方程式のものと違い物理パラメータとの関係が明確であり,技術者の持っている物理・化学法則に関する知識をモデルの決定に組み込めるという特徴があるためであり,さらに上述の問題を本質的に解決できると見られているからである.このような背景のもとに,微分方程式のパラメータを持つ離散時間モデルや雑音を含んだデータからのパラメータの一致推定法を我々は以前より提案してきたが,本研究では主に1)アンチエリアシングフィルタなどの前処理フィルタのシステム同定への影響の考察,2)モデルの次数決定法の開発,3)ロバスト制御のためのシステム同定法の開発,4)多変数システムの場合への拡張,5)非線形システムの同定法の開発,に関して研究を行った.本研究では,制御仕様が要求する周波数帯域の特性をモデルが表しているかどうかがモデルの良否を決定するという立場からパラメータ推定や次数決定の問題を捉え,また前処理フィルタを単なるデータ処理ではなく先験情報の組み込みと見て,制御仕様との整合性のとれた手法の開発を意図した.そして,パラメータの決定ばかりでなく,前処理フィルタの選択,次数の決定において物理・化学法則の知識を利用することにより制御系設計の有効なモデルを構築できることを示した.また,多変数システムへの拡張と非線形システム同定法の開発により大規模で複雑な実システムへの応用の可能性が得られたことも一つの成果である.

研究成果

(1件)

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  • [文献書誌] 和田 清: "部分空間同定法って何?" 計測と制御. 36. 569-574 (1997)

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公開日: 1999-03-14   更新日: 2016-04-21  

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