研究概要 |
同定・認識問題を扱う自己形成システムは,観測データや事例などに基づいて構築される.そこで,2値論理で表現できる例題を対象として,ルールセットでシステムを構成することとし,システム内に,データや事例に直接対応する事例レベルと,これを抽象化・一般化した概念レベルの2階層を設け,これらそれぞれを表現するシステム構成要素を開発した.また,同じ例題に対して,事例レベルから概念レベルまで段階的にシステムを表現するニューラルネットワークを構成した. 次に,ルールセット型システム・ニューラルネットワーク型システムのそれぞれに対して,事例レベルから始めて概念レベルへ向けてシステムを一般化する方向と,一般性の高いシステムから出発して事例レベルでの変更を行ないデータや事例との矛盾・乖離をなくす方向の2方向のシステム形成の流れを制御し,システムを自己形成する手法を開発した. また,最適なシステム構成を得るための方法として,最適構成を探索する際に,探索を禁止する領域や探索を奨励する領域を発見的に設定・解除することにより,探索領域を階層的に制御して,最適なシステム構成を効率的に探索することができる手法を開発した. 上記で開発した自己形成手順を基に,既に開発済みの一般化学習ネットワークをベースとして,一般の数量表現可能なシステムの表現法および自己形成手法を開発した.さらに,数量表現できない離散事象システムへの拡張の基礎的検討も行った.
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