研究概要 |
研究計画に記した以下の2項目について研究を行った. (1)多入出力システム,一般化ホールド回路によるシステムなどに対する理論の確立 多入出力システムについては,離散化システムの零点の安定性を判定する方法を,従来の1入出力システム用から多入出力システム向けに拡張した.そして,微小サンプリング周期での零点の挙動を明らかにし,これにより判定方法の有用性を向上させた. また,一般化ホールド回路,特に分数次ホールド回路による離散化システムについても,従来の零点の安定性判別法を変形して適用可能とするとともに,微小および特大サンプリング周期での零点の挙動を明らかにした. これらの研究はソフトウェアMATLABによる数値解析と理論検討とを平行して行った. 次ページの研究発表の項に記したように,以上の研究成果について3件の公表(1件は公表予定)を行った. (2)判定方法のソフトウェアパッケージ化 開発した判定方法のソフトウェアパッケージを,制御系設計用高機能ソフトウェアとして知られているMATLABを用いて作成した.連続時間システムの特性式を入力すれば,離散化システムの零点が安定となるサンプリング周期の範囲を出力する機能を有している.そして,インターネットを通してどこからでもこのソフトウェアパッケージを利用できる体制を整えた.
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