研究概要 |
1.シミュレーションプログラムの計画・作成・検証 レドームの影響を非線形共分散解析するためのプログラム仕様を作成した.レドームにより生じる誤差角は,レドーム・エラー・スロープ,飛翔体の測度,経路角,回転時定数の関数として表し,ブロック図を組み込むこととした. 飛翔体を3種の時定数とリミタから成る3次モデルで表し,これに上記のレドームの影響を付加したシステムブロック図を作成した. ブロック図から状態方程式,共分散方程式を誘導し,プログラム作成を行った.このプログラムの検証には,筆者等が開発した汎用の共分散評価プログラムSAMSを用いた. 2.システムの安定性検討 シミュレーションの実施に先立ち,システムブロック図の安定性を検討した.解析を容易にするため,リミタを除いた線形系とし,ラウスの方法を用いて判定した.この結果,レドーム・エラー・スロープが,システム定数により定まる,負のある値以下になると不安定になることが判明した.これはシミュレーション結果を判断する上で有益な目安となった. 3.シミュレーションの実施 (1)一定レドーム・エラー・スロープの場合 レドーム・エラ・スロープは飛翔中一定値をとると仮定して,これを変数とし,対応する誤差距離を求めた.目標の横加速度,各種雑音(グリント,フェーディング、受信機雑音、クラッタ),誘導回路時定数,比例航法定数,リミタレベル,飛翔体回転時定数等を用いてパラメータスタディを行った. (2)変動レドーム・エラー・スロープの場合 一般にレドーム・エラー・スロープは飛翔中に変動すると考えられる.本研究では,飛翔時間に対し,ステップ状および正弦波状に変化するとして誤差距離を求め,(1)との対比を行うと共に,考察を加えた. 4.結果の公表 上記研究の一部については,AIAAの1995年度Guidance, Navigation, and Control Conferenceで発表した.
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