研究概要 |
実験用回転ケーブルを製作し,回転コントロール,ロッド上のLEDの点滅,およびTVカメラの出力を取り込みなどを電子計算機で行えるようにシステム化した. 取り込んだステレオペア画像から対象物の3次元形状を再構成するには,それぞれのカメラの位置と観測方向を定める必要があるが,再構成を安定化させるためには,対象物のおかれた3次元空間から2次元の観測画像への射影変換のそれぞれ11個のパラメータを精度よく決定することが必要である.1台のTVカメラを固定して,3次元位置が既知であるロッドをテーブルごと回転させて観測するすることにより,未知パラメータ数を増やさずに射影変換のパラメータが決定できる新しいパラメータ推定手法を開発した. 一方,TVカメラのズ-ム機能を利用して,再構成の空間分解能を格段に向上させる手法も開発した.この手法では,カメラの位置や観測方向を知るために主にロッドを中心に観測し,次にズ-ム機能を使って対象物の拡大像を得る.これらの画像における拡大率を求めることにより拡大像観測時の射影変換パラメータを知ることができる. 得られたステレオ画像間でPixel matchingを行って視差に基づく位置ずれを求めることは,非常に時間のかかる処理である.これについても,DPマッチングを2次元に拡張した手法を開発し,高速にマッチング処理を行える手法を開発した.実験では,従来手法の20倍程度の処理速度を有することがわかった.
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