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汎用ビデオシステムは小型化され可搬性に優れていることからしばしば自動車交通流計測に用いられているが、撮影が薄暮や曇天下といった悪条件下での自動化計測は困難である。この解決のため、画像の空間周波数成分の分析によって車両の認識が可能であることをすでに提案している。この方法は、車両幅を特徴量としてこれに対応する特定周波数成分の抽出で車両検出を行っており、曇天時の映像や黒色車両の検出も可能である。また、周波数分析を積分計算で行っていることから車両の多様性や路面雑音から受ける影響が軽減される。しかし、取り扱い情報量が過大であり、ビデオシステムのフレームレートでのリアルタイム処理には至っていなかった。
この実現のため、ソフトウェアによる画像取り込みに換えて映像信号を直接取り込むハードウェア回路の設計を行い、映像信号から特定部分の明度情報を抽出するためのサンプリング回路と高速AD変換機能を独自回路によって構成した。本検知システムが映像の中の特定部分の分析を基本としているので単純な回路構成で実現可能であった。
あわせて、周波数分析演算をDSP(digital signal processor)に分担させ高速化を図った。ただ前述の特定部分の映像の抽出を、パソコンのグラフィック信号をトリガー信号として用いるので、DSPとのタイムシェアリングを実現するための割り込み同期制御が重要となる。このDSPの導入により画像データの収集と周波数分析演算の機能分担が明確にできるようになり、次段階の課題でもある演算のための空白時間を作り出すことができる見通しが得られた。
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