研究概要 |
1.相対次数が既知の場合の次数に依存しない適応制御系の構成理論を進めることに関しては、最小次元構成や制御誤差のバイアス補償方法についても考察を加えることができて、当初考えていた研究の完成のレベルに近づいたと考えられる。関連する成果としては研究発表の1),2),3),4),5)が対応する。 2.相対次数の不確定性に対する適応制御系の構成については、最初は2次の範囲の不確定性について考察していて、そのような条件下でモデル規範形適応制御系と次数に依存しない適応安定化制御系の構成法を導出した。次いで正実関数の範囲を広げることで、3次の範囲の相対次数の不確定性に対して、次数に依存しない適応安定化制御系を構成する手法を求めた。さらに関連する非線形解析の適用方法を再考することで、3次の不確定性の構成法を簡便化できることに気付き、同条件下で適応安定化制御系、モデル規範形適応制御系、さらには安定化制御を発展させた適応サーボ系を構成する手法を求めた。また相対次数の不確定性に加えて、高調波利得の符号が未知の場合にも対応できるような適応安定化制御系、モデル規範形適応制御系、適応サーボ系の構成法を求めることができた。関連する成果は研究発表の8),9),11),12),13),14),15)が対応する。 3.非線形ロバスト適応制御の手法を双線形系の適応制御問題にも拡張して、ロバスト適応制御系の構成法やそれの基礎となる双線形オブザ-バの構成についても新たな結果を得ることが出来た。関連する成果としては研究発表の6),7),10)が対応する。
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