研究課題/領域番号 |
07650521
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研究機関 | 北海道大学 |
研究代表者 |
上田 多門 北海道大学, 工学部, 助教授 (00151796)
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研究分担者 |
佐藤 靖彦 北海道大学, 工学部, 助手 (60261327)
古内 仁 北海道大学, 工学部, 助手 (60165462)
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キーワード | 鋼コンクリートサンドイッチ構造 / 形鋼シアコネクタ / せん断伝達力 / 拘束力 / 力学モデル |
研究概要 |
鋼コンクリートサンドイッチ構造において、コンクリートと鋼板の一体性を確保するためにシアコネクタを配置しなければならない。現在、土木学会の「鋼コンクリートサンドイッチ設計指針」では、シアコネクタのせん断伝達耐力を基に配置間隔についての規定がある。しかしながら、シアコネクタの変形性状やシアコネクタが部材の耐力に及ぼす影響(特にせん断耐力)については明らかにされていない。本研究では、形鋼シアコネクタを対象として、その変形性状および耐力を予測しうる力学的なモデルの構築を目的として研究を進めた。以下に、本研究で得られた知見を示す。 1.鋼板とコンクリートの付着特性を把握するため、シアコネクタを配置しない供試体を用いて実験を行った。変数は拘束圧を主として、分離材のあるものと無いものについて調査した。その結果、ずれせん断強度と拘束圧の関係を得ることができた。また、界面に分離材を塗布した場合は、分離材のない場合に比べてずれせん断強度が2,3割低下することが明らかとなった。 2.引張鋼板の形鋼シアコネクタを配置した鋼コンクリートオープンサンドイッチはりの実験およびFEM解析を行った。解析では、引張鋼板とコンクリートの間に接合要素(せん断伝達力-すべり関係を表す)を入れて行った。その結果、はりの変形および破壊荷重を適切に評価することができた。 3.形鋼シアコネクタの変形を実験的に調査した。実験でははり供試体を用い、変数はシアコネクタの高さおよび配置位置とした。なお、配置位置によって、シアコネクタに作用するせん断伝達力と鉛直方向拘束力が変化することとなる。実験結果より、シアコネクタの変形はシアコネクタとそれに接するコンクリートからなるカンチレバ-的な構造としてモデル化することができた。その場合の剛性の変化をシアコネクタの高さ、せん断伝達力および拘束力で関係づけられる。また、シアコネクタが降伏する場合のせん断伝達耐力についてもこのモデルで表すことが可能である。
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