1)ニューラルネットワークコンピュータシステムを適用することによって、舗装の実測データを学習させたニューロパフォーマンスモデルを構築した。このニューロモデルの作成には、比較的大量の実測データを必要とする。そこで、AASHTO式を基本データとして学習させて基本ニューロモデルを構築し、さらにこれを1箇所の道路区間で経年実測されたデータを学習させて修正ニューロモデルを構築する実用的方法を示した。この方法によって、少数の実測データでニューロパフォーマンスモデルを構築することが可能になった。 2)このニューロモデルを組み込んだネットワークレベル舗装管理システムを動的計画法に基づいて構築した。ここで、ネットワークレベル舗装管理システムとは2つ以上のプロジェクト(道路区間)より構成されるネットワークを対象とした舗装管理システムである。本研究においては、動的計画法を適用したことにより、従来は不可能とされていた長期間の解析期間における多数のプロジェクト群への予算配分、すなわち修繕計画の最適化が可能になった。 3)修繕計画の実行中に年度予算が変更された場合について、示達された予算条件のもとでその後の修繕計画を再度、最適化を行って修正する方法を提示した。 4)関連研究として、マルコフ確率モデルによるパフォーマンスモデルを組み込んだ路面状態ネットワークの概念による舗装管理システムを構築した。その最適化は整数計画法によるが、計算能率を向上させるために最小費用流アルゴリズムを適用した。
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