• 研究課題をさがす
  • 研究者をさがす
  • KAKENの使い方
  1. 課題ページに戻る

1995 年度 実績報告書

発水材によるコンクリート構造物の耐久性向上に関する研究

研究課題

研究課題/領域番号 07650529
研究種目

一般研究(C)

研究機関京都大学

研究代表者

宮川 豊章  京都大学, 工学部, 助教授 (80093318)

キーワード発水材 / シラン / アルカリ骨材反応 / 鉄筋腐食 / 分子量
研究概要

シランの分子構造を変化させ、それらがシランの発水性に与える影響を検討するとともに、アルカリ骨材および腐食に対する抑制効果を検討した。得られた結果から、シランの分子量が発水性に与える影響について以下のことが明らかとなった。
(1)コンクリート中への含浸量については、シランの分子量が大きくなるほど小さくなり、コンクリートの水分率が小さいほど大きくなる。本研究で用いたシランの中では、発水効果において分子量262のシランが最も優れていた。
(2)本研究で設定した環境下においては、シランで処理することにより、発水効果が得られ、重量増加を長期的に抑制することが可能である。シラン処理後、ひび割れが発生すると長期的な発水効果を期待することが困難である。
(3)アルカリ骨材反応による膨張に関しては、シラン処理することにより、無処理と比較して長期的にある程度抑制することは可能である、しかし、反応性骨材を用い塩化物を多量に含んでいるコンクリートに対しては、シラン処理によってでも、過度の膨張を完璧に制御することは困難であると考えらえる。
(4)塩害に関しては、無処理のものと比較しシラン処理のものが、むしろ腐食が進行している傾向が見られた。半水中環境下では、シラン処理ものは、発水効果により吸水が抑制されることで、腐食に関与している酸素が、ほぼ飽水状態となる無処理より多く存在しており、鉄筋腐食が進んだと考えられる。さらに、腐食により膨張によるひび割れが生じた後は、ひび割れより水分が浸透しやすくなり、鉄筋腐食が加速されていくと考えられる。したがって、コンクリート中に塩化物イオンが多量に存在する場合には、シラン処理することにより、長期的に鉄筋腐食を抑制することは困難であると考えられる。

URL: 

公開日: 1997-02-26   更新日: 2016-04-21  

サービス概要 検索マニュアル よくある質問 お知らせ 利用規程 科研費による研究の帰属

Powered by NII kakenhi