各種セメント(普通ポルトランドセメント、中庸熱プルトランドセメント、早強ポルトランドセメント、ビ-ライト系低発熱セメント)を用いたセメントペーストおよびコンクリートの自己収縮ひずみの測定および拘束試験の結果から、以下のような結論が得られた。 (1)コンクリートの自己収縮ひずみは、セメントペーストの場合と同様に、セメント中の間隙相とくにC_3Aの含有量が大きいほど大きくなる傾向がある。 (2)セメントペーストの自己収縮ひずみは、使用するセメントの鉱物組成およびそれらの反応率により推定することができる。 (3)コンクリートの自己収縮ひずみは、コンクリートを骨材とセメントペーストの二相材料と仮定した既往の複合側(Hobbsモデルなど)を用い、セメントペーストの自己収縮ひずみおよび骨材含有率を用いてある程度推定することができる。 (4)コンクリートの自己収縮ひずみに及ぼす温度履歴の影響は、積算温度を用いて評価する事ができること、拘束応力の発生は温度変化ばかりでなく自己収縮に大きな影響を受けることが明らかとなった。
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