研究概要 |
1.普通ポルトランドセメントを用いた場合と比較すると、中庸熱セメントや高ビ-ライト系セメントを用いた場合は自己収縮ひずみが小さいことが明らかとなった。セメントの種類の影響については、鉱物組成と反応率で評価できることがペーストによる実験から示されているが、コンクリートにも適用できることが明らかにされた。また、比表面積6000〜8000cm^2/g程度の高炉スラグ微粉末をセメントの50%程度置換すると自己収縮がかなり増加する事が明らかになった。 2.普通ポルトランドセメントを用い,水結合材比20%〜56%の範囲で,通常の単位骨材容積を有するコンクリートの自己収縮ひずみは提案式を用いて実用的に満足のできる精度で予測が可能であることが明らかとなった。 3.コンクリート温度が高いほど初期材齢における自己収縮ひずみの増加速度が大きくなり、この影響はマチュリティーを用いて評価することが可能である事が明らかになった。また、マチュリティーにより評価することにより、若材齢におけるコンクリートの熱膨張係数を精度よく定める事が可能となった。 4.寸法効果については、供試体寸法が大きいほど材齢1日程度の初期材齢における自己収縮は大きくなるが、長期材齢においては供試体寸法の影響はあまりないことが明らかになった。 5.水セメントが小さい場合は、応力発生に及ぼす自己収縮の影響が極めて大きくなる事が明らかになった。特に、シリカフュームおよび高性能減水剤を用いて水結合材比を20%程度と極めて小さくすると、自己収縮が温度膨張を上回り温度上昇時にもかかわらず収縮が生じ、引張応力が生じることが明かとなった。
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