研究分担者 |
村田 晶 金沢大学, 工学部, 助手 (30283097)
吉田 雅穂 福井工業高等専門学校, 助手 (90210723)
飯塚 敦 金沢大学, 工学部, 助教授 (40184361)
宮島 昌克 金沢大学, 大学院・自然科学研究科, 助教授 (70143881)
太田 秀樹 金沢大学, 工学部, 教授 (80026187)
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研究概要 |
最近の日本の地震では1,000ガル近くの大きな加速度記録が観測されているが,阪神・淡路大震災を除くと壊滅的に壊れている被害は多くない.この原因として著者らは,応答の最大値と,最大値に近い振幅での繰り返しに基づいて構造物の破壊を考察するべきであると考えた.そこでまず,昨年に引き続き各地で観測されている最近の地震動の強震記録を整理し,衝撃的地震記録,継続的地震記録に分類した.それぞれの地震の加速度,速度,変位の応答スペクトルと各振幅レベルでの繰り返し回数を,縦軸Z軸に応答レベル,Y軸に構造物の固有周期,X軸に応答レベルごとの繰り返し回数をとって,3次元立体図を作成した.つぎに,振動加速度,速度,変位に関する新指標「疲労応答スペクトル」と振動震害,地盤震害とを対応させ,最も対応のつく組み合わせを考えた.このとき,上下動や水平2成分を合成した地震動に対する「疲労応答スペクトル」との対応についても考察した.一方,液状化や液状化に伴う地盤の側方流動,マンホールの浮上などは地盤震害の中でもやや特殊であることから,この震害を別に取り出し,各種「疲労応答スペクトル」との対応を考察した.さらに,応答を考慮したいわゆる修正震度法における震度を,繰り返し回数の大小に応じて増加,低減することを考えた.たとえば,最大応答での振動回数が1回のみであるときには震度を低減し,逆に数回ないし十数回に至るときは増加する.これを応答の各レベルでの繰り返し回数および疲労破壊との関係において把え,震度を総合的に考え直した.
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