本実験的研究で明かとなった新たな知見および研究成果は以下の通りである。 ウオータージェット工法を用いて旧コンクリートの表面処理を行なう場合はロータリージェットを利用し、所要の処理深さを得るために、コンクリートの強度に応じて水圧を設定する。 所要の処理深さは7mm程度以上に設定する必要がある。この場合、曲げ強度比を用いて打継ぎ強度を評価すると、鉛直打継ぎにおいて80〜90%の曲げ強度比を得ることができる。曲げ強度比はコンクリートの水セメント比、使用粗骨材の種類によらない。しかし、鉛直打継ぎの場合はコンクリートのブリージングが打継ぎ強度に大きな影響を与えるので、新コンクリートの配合を考慮する必要がある。 ウオータージェットによる表面処理において注意すべき点は、過大な水圧によって処理面を痛めことがなく、処理後の施工時に打継面の付着物を除去することである。 曲げ強度試験時のアコースチック・エミッション(AE)計測によって、打継ぎの有無がAE発生に影響を与えることが明かとなった。すなわち、打継目は終局破壊近傍で脆性的に破壊し持続長の大きい液が発生する。しかし、波の最大振幅、周波数は打継目の有無と直接的な関係はない。 今後の研究として、鉛直打継ぎに大きな影響を与えるコンクリートのブリージング発生と打継ぎ強度との関係を検討する。
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