研究概要 |
本年度は,先ず,連続合成桁における外ケーブルの配置形状に関する解析的検討を行った。10種類の外ケーブル配置形状を設定し,主として曲げモーメントの分布状態について検討した。その結果,持続荷重状態において最もよい曲げモーメントの分布状態が得られるケーブルの配置形状を選択することが出来た。これらの結果は,平成7年度の土木学会全国大会で発表された。 次に,上で選定された外ケーブル配置を有する2径間連続合成桁(40+40m)を対象に,クリープおよび乾燥収縮解析を実施した。持続荷重状態としては,後死荷重+プレストレスとした。解析の結果,中間支点反力および外ケーブル張力の変化量に及ぼすクリープの影響は少なく,むしろ乾燥収縮による中間支点反力への影響が支配的となることが解った。これらの成果は,第3回合成構造の活用に関するシンポジウムで報告された。 更に,経時挙動の測定を行うために模型桁が製作された。模型桁は,製作精度と実測データの信頼性を高めるため,当初計画よりも大きなもの(5+5m)を用いることにした。プレストレスの導入試験が,まず実施され,当初の応力状態が確認された。この結果は,平成8年度土木学会関西支部年次学術講演会で発表する予定である。目下,同試験体を用いて,経時挙動の測定が行われている。 上記の実績の他,この分野の専門書の1つとして,単行本を共同で執筆し,出版した。
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