本研究では、まず、応力法を用いて外ケーブルの配置形状に関する検討が加えられ、効果的な外ケーブル配置が決定された。ついで、経時挙動解析のための基礎式であるコンクリートのクリープおよび乾燥収縮現象の応力〜ひずみ関係式が誘導された。さらに、持続曲げモーメントおよび軸方向力を受ける合成桁のコンクリート床版および鋼桁の分担断面力とその変化量の算定式が求められた。外ケーブルを有する連続合成桁の構造全体の解析には、外ケーブルの偏心結合を考慮した剛性マトリックス法が適用された。 一方、解析法の妥当性を検証するため、比較的大型の2径間連続合成桁の供試体(5m+5m)が製作され、外ケーブルによるプレストレスの導入試験、ならびに約1年にわたる経時挙動試験が実施された。 本研究により得られた主な成果は、次のとおりである。 1).外ケーブルを用いて合成桁へのプレストレスの導入は容易に行なえる。 2).本解析法により、合成桁の経時挙動が比較的精度よく評価できる。 3).多径間連続合成桁橋の経時挙動は、全体系を解析することなしに4径間連続桁の解析結果を用いて推定することが可能である。 4).クリープおよび乾燥収縮によるプレストレス力の損失量は、設計上無視できる程少ない。
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