土の残留強さを求めるためには、大変形を与えることが必要であり、リングせん断試験機は理想的な試験機であるといえる。そしてリングせん断試験機が、粘土の残留強さを求めるために最も信頼できるとされている。しかし供試体が大断面であり、乱さない試料を採取して実験を行うことが困難である。そこで通常のボーリングコアを供試体として使用できる繰り返し一面せん断試験機を開発する。 その結果、繰り返し載荷を行うことで単調載荷より小さい変形(振幅)で残留強さに至ることがわかった。しかし実験を行った土においては、2.5mm以下の振幅では強度低下が見られず、残留状態に至ってないものと思われる。 またリングの摩擦、ゴムスリーブの影響なども考慮したが、繰り返し一面せん断試験で求めた残留強さはリングせん断試験のものより大きく、この差は土の種類によって異なっている。さらに多くのデータを蓄積することにより、この差を補正することも可能であると考えている。
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