1.既設10m水路に砂礫を敷き詰め、多数の射流実験をおこなって次の新知見を得た。 (1)多量の砂礫が移動する条件では反砂堆が形成され、峰部に大礫が集中することによって2次元性の強いリブが生ずる。 (2)リブをきっかけとして水面に3次元的な斜め交錯波が発生する。 (3)斜め交錯波の流下方向波長とリブ波長が一致したとき、河床波と水面波の相互干渉が強まり、水深を超える大振幅の波立ちが生ずるとともに河床が速やかに3次元化し、円弧状のくぼみが発生する。 (4)この状態を継続すると短時間で水面波・河床波とも消滅し、再び始めのリブ形成状態に戻って現象を繰り返す。(3)の状態で停水した場合にのみステップ・プールが形成される。 (5)斜め交錯波の流下方向波長とリブ波長が1/10程度ずれた場合、うねり現象が生じてステップ・プールの部分発生が起こる。 (6)斜め交錯波、ステップ・プールは水路幅に規定されたモードをもち、複数モードのものも広く存在する。 2.林による理論反砂堆波長とAiry波の理論波長の一致を条件に、現象論的にステップ・プールの発生条件・部分発生条件を導き、実験結果をよく説明することを確認した。
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