1.NOAA/AVHRR APT直接受信によって、日本列島周辺海洋乱流場の実時間モニタリングが継続された。それによって、日本列島周辺の海洋流動における乱流の逆カスケード過程および海岸海底地形による組織的渦構造のインターロッキング過程の現象論的記述が獲得されつつある。 2.主として1987年以降のNOAA/AVHRRの高解像度HRPTデータ対象に、シ-マーク追跡法を適用した瞬間乱流場計測が継続され、上記の乱流現象が定量的に記述されつつある。 3.以上の衛星観測によって得られたデータや成果物(各種強調処理衛星画像、海面流速ベクトル分布図、海面渦度分布図、その他各種主題図)はア-カイブされている。 4.カスプ状の岬からの渦の供給のメカニズムに関連して、回転系水理模型実験がなされた。それによって、黒潮の振る舞いに対する日本列島太平洋岸の役割と大気擾乱によるい外部からの強制パルスの役割が確認されつつある。 5.乱流のカスケード過程の水理実験と海底地形による組織的渦構造のインターロッキング過程に着目した水理模型実験を行なわれた。それによって、閉じた容器内の回転系乱流場としての本研究対象の取り扱いの妥当性が確認されている。 6.海面上150mの大鳴門橋主塔上から、鳴門の渦潮の時系列的斜め写真計測およびVTR映像計測を行なった。それによって、高いReynolds数(10^8)における自由乱流境界槽内部における組織的渦構造の逆カスケード過程のプロセスが記録された。
|