生活の24時間化にともない、夜間交通事故が増加していることに鑑み、本研究では道路照明と交通事故の関連性を検討し、夜間校事故を防ぐ道路照明施設のあり方について提言することを目的とした。具体的には、道路の照度分布の自動計測システムを開発し、それを用いて宇都宮市内の実際の道路を走行して照度分布のデータを収集した。一方、交通事故データベースを構築し、夜間交通事故と照度分布の間の因果関係を路線単位・事故地点単位で分析した結果、次のような知見を得ることができた。 まず、照度分散が大きいと夜間交通事故が増加する傾向が見られ、その減少には平均照度の引き上げに加えて、照度分散の低減が大きく影響することがわかった。 また、一般に路線の道路照明装置本数が増加すると夜間事故率が減少し、道路照明以外の光源が増えると事故が増加する。特に、歩道照明のような連続照明が安全な夜間道路環境を形成する反面、ガソリンスタンドやコンビニエンスストアなどの著しく高い光源付近では照度が大きく変化し、夜間交通事故の増加の一因となっている。このことから、夜間事故の減少に向けて、連続照明の設置に加えて、過度の光源を発生する沿道の土地利用に対する適正な誘導を図る必要があるという結論を得た。
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