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1995 年度 実績報告書

ニューラルネットワークの選択行動モデルへの応用可能性に関する研究

研究課題

研究課題/領域番号 07650614
研究機関東京大学

研究代表者

清水 英範  東京大学, 大学院・工学系研究科, 助教授 (50196507)

研究分担者 上田 孝行  岐阜大学, 工学部・土木工学科, 助教授 (20232754)
キーワードニューラルネットワーク / 選択行動モデル
研究概要

階層型ニューラルネットワーク(LNN)は、複雑な入出力関係を精度よく推定する手法として注目され、数多くの応用研究が試みられている。しかし、これらの研究の多くは、当該分野で従来から研究対象となっている問題にLNNを適用し、それが従来の手法と比較して高精度の再現性を得ることを報告するものである。そこでは、LNNの適用への理論的な意味解釈が欠如し、したがってLNNの真の適用性が十分検討されていない。本研究は、LNNを選択行動モデルに適用するという観点から、これに意味解釈を与え、LNNの適用性をより理論的に論じたものである。まず、従来の応用研究を参考にLNNを選択行動モデルへ適用する際の一般型を定式化した。そして、この一般型で十分な学習を経た選択行動モデルは、ベイズの最適判別モデルと基本的に等価になることを示した。これは、LNNを選択行動モデルへ適用する際の理論的根拠となる。次に、LNNの特徴であるニューロン応答関数に着目し、最終層の応答関数に行動の効用関数としての意味づけを与えれば、応答関数型を行動理論から導出できることを示した。具体的には、Kapurの一般エントロピーを援用し、いくつかの応答関数型を導出した。これによれば、応答関数として一般的なシグモイド関数を用いた場合、ロジットモデルと等価になる。このように、LNNの全体構造、特に応答関数への意味解釈が可能になったことにより、従来ブラックボックス的に行うよりなかったLNNの設計プロセスが明瞭なものとなった。すなわち、最終層応答関数が効用関数と解釈されるため、LNNのニューロン間の結合は効用関数型を定義するプロセスと同じになる。以上、本研究ではLNNの流行に対して問題提起をし、選択行動モデルへの適用という観点からこれに理論的な意味解釈を与え、LNNを適用する意味を明快にした。

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公開日: 1997-02-26   更新日: 2016-04-21  

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