土地利用・交通・環境を考慮した総合計画の立案には、複雑な個別施策の組み合わせをも分析できる計画分析支援システムが不可欠である。しかし、従来のシステムは、それぞれ特定の目的に合わせて、固有の計算機システムの基に開発されてきており、他のシステムとの互換性はほとんどなかった。一方、パーソナルコンピューターのオペレーションシステムであるWindowsは、基本的に、応用プログラムをシステムから独立させて開発できる環境を提供するものである。Windowsシステムを活用することにより、従来は特定のシステムに固有のものであった分析モデルを標準化することが可能となる。 そこで、本研究では、Windowsシステムを用いた総合分析システムの概念を提示し、それに基づいて、他のシステムと互換性のあるシステムを実際に構築した。本システムは、研究代表者が既に保有している土地利用と交通分析支援のためのシステムRURBANを改良し、実際の計画支援に資する操作性の高いものとなっている。さらに、従来の高々1キロメッシュ程度の粗さでしか分析できなかった点を改良し、下位モデルとして即地的な分析が可能な配分モデルを加えた多段階型のモデルを提案した。これによって、詳細な土地条件を考慮にいれた分析を可能にした。また、これらの一連のシステムを仙台市において構築し、詳細な土地用途規制や細かな交通条件の差などを考慮にいれた分析を行い、提案したシステムの有効性を確認した。
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