研究概要 |
1.道路ネットワークデータの作成: 対象地域としている豊橋市の道路網とその特性をデータベース化した。このとき、経路選択実態調査データとの対応付けが容易となるよう、できる限り詳細な道路網構成を考えるものとし、ノード数248、リンク数419のネットワークを構成した。また、平成6年度道路交通センサスの資料等に基づき各リンクの諸特性をデータ化した。 2.車利用者を対象とする経路選択実態調査の実施: 予備調査の結果を踏まえ、車利用者の日常的な交通における経路選択の実態および意識等を把握するための調査票を設計し、豊橋市を対象として、郵送配布回収方式により調査を実施した。配布数1,500に対して、回収数は431(回収率:28.7%)であった。 3.経路選択要因の分析: 2.で得られたデータに基づき、車利用者の経路選択の決定要因を明らかにするとともに、同一ノードペア間での利用経路の変動状況を把握し、1.の道路網特性との関連性に着目しつつ、その要因を分析した。また、到着時刻に制約のある交通において、経路の所要時間が不確実な場合に経路選択行動と密接に関係すると考えられる出発時刻の余裕時間に関して、その実態把握と要因分析を試みた。これらの分析においては、交通目的や運転者の個人属性等による差異に特に着目した。分析の結果、経路選択の決定要因に関しては、所要時間やそれに関連する要因が重視されているが、必ずしも所要時間の小さい経路が選択されているわけではないこと、交通目的間で重視要因の差はそれほど大きくないことなどが分かった。また、出発時刻の余裕時間に関しては、交通目的間での差はそれほどないこと、余裕時間と所要時間の変動量との対応関係は必ずしも明確ではないことなどが明らかになった。
|