1.経路選択・出発時刻決定行動の規定要因の分析 平成7年度に実施した調査のデータを用いて、交通目的や運転者の個人属性等による差異に特に着目しつつ、経路選択行動および出発時刻決定行動の分析を行った。 まず、経路特性項目の重視順位質問結果の集計、利用経路に対する総合及び項目別の満足度質問結果の重回帰分析により、従来から交通量配分で考慮されてきた所要時間、混雑度などの相対的重要度が高いことが確認されたが、大型車交通量や景観・街並みの雰囲気といった項目も無視し得ないことが明らかとなった。 次に、経路所要時間が不確実な場合に到着時刻制約のある交通の出発時刻決定を規定するセーフティマージン(余裕時間)に関して、2つの方法を用いて値を算出し、その分析を行った。その結果、セーフティマージンは交通目的間や個人属性間で一定の差があることが明らかとなったが、2つの値の間の対応関係が必ずしも明確ではないといった問題点が残った。 2.経路選択モデルの構築 地図記入式の利用経路と代替経路の質問結果のデータを用いて非集計型の経路選択モデルを構築した結果、比較的良好なモデルが得ることができた。 3.実際の道路網を対象とした配分手法の有効性の検討: 2.で構築されたモデルを組み込んだ配分手法を従来の各種配分手法とともに対象地域の道路網への交通量配分に適用し、それらの適合度を比較すること等を通じて、その有効性を検討する予定であったが、これに関しては今後の課題として残された。
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