研究概要 |
1.ロードプライシング実施時の自動車交通量の予測(研究実施計画1)) 大阪都市圏を対象にしたロードプライシングの代替案を作成した。規制地域に関してはJR大阪環状線内と都心2区の2パターンを設定した。賦課金額は200円、500円、800円の3パターンを、自動車利用目的は業務車両を除く場合と全車種対象を設定し、それぞれの代替案の効果を比較した。 本研究では、四段階推定法に基づいて自動車交通量の予測を行った。分担交通量予測に関しては、目的地までの所要時間、ロードプライシングによる賦課金額、目的地までの自動車利用時の通勤距離等を説明要因として非集計ロジットモデルを通勤・業務目的別に分けて分析した。さらに、平成2年度PT調査データを用いてゾーンごとの転換確率を適用することでロードプライシング実施後の交通量を求めた。 2.ロードプライシングの効果の算出(研究実施計画2),3),4)) 先の自動車交通量予測を用いてロードプライシングの効果を推定した。その結果、賦課金の上昇に応じて収益が増え、NOx削減量も大きくなることが分かった。また、業務車両を規制対象から除くと収益は大きく減るがNOx削減量はあまり変化しないことが分かった。これは、業務車両はロードプライシング実施によっても公共交通機関への転換率が小さいためと考えられるが、NOx排出量に応じた負担とするために一般車よりも高い賦課金を課した場合には(一般車200円、業務車両500円)両者の負担を500円とした場合とNOx削減量が近い値となることが分かった。 公共交通整備の財源確保の観点から収益の増大を図るには全車種を対象とすべきであり、大気汚染改善の観点からは、汚染物質排出レベル等に応じた賦課金体系が必要である。
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