研究課題/領域番号 |
07650624
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研究機関 | 神戸大学 |
研究代表者 |
森津 秀夫 神戸大学, 工学部, 助教授 (10107980)
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研究分担者 |
竹林 幹雄 神戸大学, 工学部, 助手 (80236497)
黒田 勝彦 神戸大学, 工学部, 教授 (20026157)
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キーワード | 経路誘導 / 交通ネットワーク / シミュレーション / 交通情報提供 / ベイジアンアプローチ |
研究概要 |
本年度においては、平成7年度に作成した経路選択行動モデルに対する検討を行い、経路誘導システムのシミュレーションを行った。すなわち、経路選択行動モデルをリンク旅行時間予測モデル、経路変更モデル、経路選択モデルから構成することとした。リンク旅行時間予測モデルが昨年度に作成したものであり、ベイズ的に旅行時間に関する確率分布を修正してゆくものである。経路変更モデルは経路見直しのきっかけを与えるものであり、経路選択モデルは現在の予定経路を新たな経路に変更するかどうかを決めるものである。 作成した経路選択行動モデルを経路誘導システムのシミュレーションモデルに組み込み、ケーススタディを行った。従来のような小規模の仮想ネットワークを用いたのでは経路選択行動モデルを検討するのに十分でないため、神戸市の東灘区から兵庫区にかけての市街地部を対象ネットワークとした。最初に経路誘導を実施しない場合のシミュレーションを行い、パラメータの決定と観測交通量との整合が取れるものであることを確かめた。そして、経路誘導を実施した場合のシミュレーション結果からは、経路選択行動モデルが適用されることを前提とすると、提供された交通情報に無条件で従うことは好ましくないことが示された。つまり、想定される経路誘導システムによる交通情報の信頼度が低いということである。ただし、この交通情報を経路選択行動のための判断材料に加えるようにすれば、誘導車が不利になることがないという結果も得られた。これは、従来から危惧されていた誘導車の割合が増加した場合の問題を解消する可能性を持つものである。
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