道路網の形態評価指標を用いた形態評価値の特性分析を中心に研究を進めた。また、提案したノード間距離指標を実在道路網に適用しその有効性を確認した。具体的には以下の通りである。 1.道路網の機能評価値の計算および形態評価値と機能評価値の関連性分析 道路網の形態を表現する指標として、 (1)ノード間距離指標、(2)一様性指標、(3)求心性指標、(4)緻密性指標、(5)複雑性指標、(6)冗長性指標、などの新しい指標を用いて、形態評価値と機能評価値の関連性を分析し、ノード数、リンク数、領域数の3つの指数や平面グラフの種類別に、道路網の形態がその機能に及ぼす影響について明らかにした。 2.ノード間距離指標の道路網形態分析への応用 (1)福岡都市圏で進行中の自動車専用道路の路線整備が、都市圏全体および都市圏内の個々の地区に及ぼす影響の程度を移動効率性から評価するとともに、移動時間節約の面から路線の建設順序を検討することにより、提案指標の有効性を示した。なお、この内容に関する研究発表を行った。 (2)放射環状型道路網(London大都市圏道路網)における放射道路と環状道路の役割の分担関係を分析した。その結果、放射道路は強い影響がみられるが、その影響範囲は当該道路付近および軸線方向に限られている。一方、環状道路は影響の程度は放射道路ほどではないが、その影響は非常に広範囲に及んでることが明らかとなった。なお、この内容に関する研究発表を本年度中に行う予定である。
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