紙オムツとディスポーザーを対象として、在来の方法と比較して環境負荷からみてどちらが環境にやさしいのか検討を行った。 1)紙オムツの生産枚数はほぼ直線的に増加しており、平成8年で77億枚もの生産量がある。とくに大人用の増加率が大きい。 2)紙オムツごみの重量は150〜180gであり、排泄物の重量は101〜131gであった。 3)布オムツの洗濯等にかかる主婦の労働を無視すれば、布オムツは紙オムツより安い。値段の経済性の点で布オムツが併用されている状況と考えられる。 4)布オムツ(0.8才〜1.8才)の排水負荷は、屎の部分も含めてTN3.4g/人/日、TP0.218g/人/日の汚濁負荷であった。 5)環境負荷については、布オムツ(家庭)は原料消費と廃棄物量は紙オムツより少ないが、エネルギー消費、水消費、水質汚濁、大気汚染については紙オムツより多い。 1)ディスポーザーの使用は83%が禁止又は自粛指導がなされ国内生産はほとんどない。 2)電力消費は0.020KWH/人/日の電力消費原単位である。 3)厨芥の負荷は、1人1日あたり、厨芥量302g、COD cr51g、N 1.3g、P 0.15gであり、ミカンごみを含まない場合、それぞれ200g、37g、0.9g、0.12gである。 4)ディスポ-ザ導入システムは在来のゴミ焼却よりコストは20%割高となり、環境負荷については、大気汚染は小さく、水質汚濁負荷は大きい。 LCAには膨大なデータ処理が必要で、計算条件の違いにより幅のある値が得られる。また、単一製品のLCAには、大きな組織力と企業の協力が不可欠である。今後の課題としてRDF化、ゴミ発電によるサーマルリサイクルとの関連のチェックが必要であろう。
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