1997年度の研究において明らかになった点を列記すると次の通り。 1.藻類の凝集 (1)凝集剤接触時間によるアルミニウムの変化については、溶解性アルミニウムが数時間から二日接触後に極大濃度に達し、その後また減少するという傾向をとる。その濃度や接触時間はいわゆる凝集剤の最適注入量をはずれると濃度は高く、注入アルミに対する比率も高くなる。 (2)最適な凝集操作が行われないと、溶解性アルミニウム生成率は5%程度と低いものの0.45〜5μmの比較的小さな不溶性アルミニウムが多く形成され、ろ過池を通過するアルミニウムが多くなることが示唆された。 2.複数ろ過池の実プラント実験および調査結果 (1)今回も有効径1.4mm、均等係数1.5のアンスラサイトを10cm布設するだけで、損失水頭は砂単層の場合の1/2〜1/3以下に小さくすることができ、長いろ過継続時間と安定したろ水を得ることができることが確認できた。 (2)実際の複層ろ過池の抑留状況を実測した結果、抑留量が10^2変化するのに砂単層では表面3cmなのに対して、複層では10cmまでと深い。 (3)5〜10cm程度の複層化は表面洗浄による洗浄効果がきわめて高く、薄い複層化は洗浄面でも大きな利点となる。 (4)実際池においては、(ろ材径/珪藻長)<50という条件下で(ろ層厚/ろ材径)<100の範囲に95%の珪藻が抑留されるという実験結果が適用できた。
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