これまで筆者らは、鉄筋コンクリート床スラブの長期たわみ予測計算法を提案するとともに、既往の調査データを整理・分析して、床スラブの「長期たわみ」と振動感覚評価尺度の基準となる「1次固有振動数」と「歩行時振幅」の3者間に密接な相関関係の存在することを明らかにしてきた。 これらの成果から、鉄筋コンクリートの長期たわみを精度良く予測することにより、当該スラブの1次固有振動数と歩行時振幅は簡単に予測できるようになった。 これらに関連して行った当該年度の研究実績は以下のとおりである。 1.推定式の適用範囲拡張を目的として、下記の現場で1次固有振動数が20〜25Hzの床スラブの実測データを収集した。 (1)札幌市内のRC建物新築工事2現場の床スラブ (2)札幌市内の既存RC建物2箇所の床スラブ 2.構造物の「減衰定数」の振動感覚評価に及ぼす影響を検討することに重点をおく実験を行った。 (1)札幌市内の既存RC建物2箇所の床スラブ (2)浦幌町内のRC組立校舎 (3)紋別港氷海展望塔 3.支持条件や設計諸元の異なる鉄筋コンクリート床スラブの長期たわみを簡便に求められる近似推定式を誘導し、現場実測データにより適合性を検討した。
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