1.実験目的 本研究の目的は、鉄筋コンクリート造柱部材を対象に、現実的な変動軸力と2方向横力を受ける試験体の靱性能を実験的に評価することである。 2.実験概要 試験体は4体作成した。いずれの試験体も靱性能が曲げ圧縮破壊で決定されるように設計した。主筋量と帯筋比は各試験体で一定とし、横力の加力方向(面内加力、斜め45度方向加力)、軸力載荷法(一定軸力、変動軸力)を実験パラメータとした。それぞれの試験体の最大軸力の選定であるが、先ず、既往の靱性評価式では判断が難しい変動軸力試験体の実験を最大軸力比0.6で行い、ここで得られた限界変形と同じ限界変形となるであろう一定軸力の試験体の軸力をいくつかの既往の靱性評価式で決定した。その結果、一定軸力の試験体の軸力比は0.46となった。また、斜め加力の試験体の軸力は面内加力のものと同一とした。なお、最小軸力は本来引張軸力となりうるが、載加装置の制限から本実験では0とした。 3.結論 靱性限界が同じになるように計画された一定軸力あるいは変動軸力を受ける柱試験体の曲げせん断を行い、当初の目的通りほぼ同じ靱性限界が得られた。また、斜め加力試験体についても同様の結果が得られた。次に、平面加力と斜め加力の試験体を比較すると、解析値は斜め加力の方がやや低い強度を与えているが、実験ではほぼ同様の挙動となった。また、用いた解析モデルは変動軸力や斜め加力試験体の挙動も精度良く追跡できるように改良が必要である。最後に、既報で提案した等価軸力評価式は等価軸力をやや小さめに評価していると判断された。これは、設計では危険側になるので、今後、本実験結果を基に改良が必要となる。
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